中学受験に欠かせない学校説明会。
参加したからには、できるだけ多くの情報を持って帰りたい
というのが正直な気持ちだと思います。
「でも、いったい何を訊けばいいのかわからない」
という方のために、中学受験を体験した親の視点から具体的な質問内容をお伝えします。
1.個別相談とは
2.個別相談の質問集
(1)「見極め」関連の質問
(2)「学習」関連の質問
(3)「学校生活」関連の質問
(4)「進学」関連の質問
(5)「設備」関連の質問
(6)「保護者との連携」関連の質問
3.まとめ
1.個別相談とは
まず、個別相談とは何か。
端的に申しますと、学校説明会の後で希望者のみに行われる、教員との1対1の面談です。(お子さんが同席の場合、1対2)
学校説明会は、あくまで全員に向けられた内容で構成されています。
それに対し個別相談では、個人的なこと、
つまり、我が子に合っている学校かどうかを見極める質問をすることができます。
それが最重要なのです。

2.個別相談の質問集
個別相談会で使える質問を、下記6項目に分類してまとめました。
「学習」:学習に関することの質問
「学校生活」:学習以外の学校生活についての質問
「進学」:主に高校への内部進学についての質問
「設備」:学校の設備に関する質問
「保護者との連携」:学校と保護者の連携についての質問
(1)「見極め」関連の質問
・どんな生徒が多いか
大人しい子が多いか、活発な子が多いか、クラスによって多少の違いはあれども、学校としてのカラーを把握できます。
・学校生活で重視していることは何か
・文章を書く授業で表現力を鍛える
・グループワークでコニュニケーション力を育てる
・発表の場を多く持ち、プレゼンテーション力を伸ばす
などが挙げられます。
全員に発言の機会があるのか、
言いたいことを発言できる雰囲気づくりはなされているのか、
といったことも重視すべきです。
・自主性を尊重しているか(子どもが自立できるようにどんなサポートをしているのか)
学校によって、しっかりチェックする系と、遠くから見守る系の考え方があります。
お子さんにとってどちらがプラスになるか、考える材料になります。
(2)「学習」関連の質問
スピード系か、じっくり系か、学校の特色をつかみましょう。
・授業の進度
例えば進学校の場合、中学2年までに中学の過程を終わらせ、中学3年から高校の範囲を勉強する学校もあります。
お子さんが勉強のスピードについていけるかどうかがポイントです。
・宿題や提出物は毎日あるか
プリントで出す学校、タブレットで管理している学校、さまざまです。
1日どれくらいの分量かも聞いておくと家庭学習に必要な時間の目安になります。
・成績不振者への対応
朝テストで不合格の場合、当日再テストをする、
指名制の補修を受ける、
など、こちらも学校ごとの対応はさまざまです。
学校側のサポート体制を確認しておくと安心できます。
・資格試験への取り組み
英検、漢検は学校が受検の準会場となって受けられる学校が多いです。
全員受検か、任意受検か、学校で対策授業をしているのか、対応が分かれるところです。
また、何年生で何級を目指しているのかで、学習の進度を確認することもできますね。
(3)「学校生活」関連の質問
・(共学の場合)男女比はどれくらいか
お子さんによっては、「男子が苦手」、「女子が多いのはちょっと…」といった場合もあると思います。
また、男女によって受験の倍率が異なる学校もあるので要チェックです。
・コートやかばん、靴は学校指定のものか
制服だけでなく、小物類もどんなタイプがあるのかを確認しておいてよいと思います。
・部活の入部率と人気の部活は?
学校案内パンフレットに部活と所属人数が書いてある場合もありますので、まずは一読を。
運動部と文化部のどちらが盛んなのかがわかります。
部活は小学生にとって楽しみのひとつですので、憧れの部活が勉強のモチベーションにつながります。
ひとつ気にするべきことは、部活の活動場所です。
特に運動部ですが、都内の中学校はグラウンドが狭く練習場所が確保できないことがあります。
その場合、校外のグラウンドを借りて活動することになり、電車やバスで移動するため、定期券以外に交通費の出費がかかるケースもでてきます。
・携帯電話の利用ルールは?
携帯電話は家庭との連絡用という位置づけで、学内使用禁止の学校が多いと思います。
もうちょっと突っ込んで話せそうなら、LINE等のトラブルがあったかどうかも聞いておくと、学校側の対応を確認できてよいと思います。
・遅刻が多い場合、ペナルティはあるのか
早起きできる子には必要ありませんが、なかなか起きられないお子さんの場合は要注意です。
もしも内部進学の条件だとしたら、かなり気をつけなくてはいけません。
・校則は厳しい方かどうか(身だしなみ、寄り道)
頭髪など身だしなみの検査を定期的に行っているかどうかを質問します。
また、通学路にあるコンビニエンスストアなどのお店は、校則で立ち寄ることを禁止されている場合もあります。
「お昼ごはんをコンビニで買ってから登校させようと思っていたらダメだった」、などということもあるので事前に知っておいて損はないです。
(4)「進学」関連の質問
・中学から高校への内部進学率
中高一貫校で他校へ行く生徒はほとんどいないと思いますが、「内部進学率が低い=進学条件が厳しい」といえます。
・高校に内部進学するための条件
内申点の数値など、学校ごとの基準があります。
入学後に困ることがないように確認しておくべきです。
・(附属の大学があるなら)大学の推薦枠に入るための条件
だいぶ先の話になりますが、頭に片隅に入れておいた方がよい情報だと思います。
(5)「設備」関連の質問
・学食がある場合、中学生も利用可能かどうか
中高生全員OKの学校もあれば、学食の座席数などの理由により、高校生から利用可能という学校もあります。
基本的にはお弁当を持参している生徒が多いようです。
・学校の自習室は使えるか
自習室を備えている学校は多いですが、高校生から利用可能の学校も多いです。
(6)「保護者との連携」関連の質問
・学校から保護者への連絡方法は?
おたよりがカバンの底でぐしゃぐしゃになったまま、なんてことは哀しいかな中学生になっても変わりません。
「プリントがネットで確認できるかどうか」
「期限のあるお知らせについて子どもを介さず連絡されるのか」
がポイントになります。
・保護者会は年に何回、何曜日にあるのか
小学校のように父母会のクラス役員を決めることもあります。
クラス委員の人数や役割、また、保護者どうしのコミュニケーションをとる場はあるかも訊いておくと、ママ友づくりの機会があるかどうかがわかります。
3.まとめ
息子が中学受験をしたときに訊いたことや訊いておけばよかったことを20の質問にまとめました。
個別相談会は時間が限られていることもあります。
どの質問を優先するかの基準は
「お子さんが中学校でのびのびと生活できるか」
を想像していただければ決めやすいか思います。
場合によっては、個別相談で担当になった先生がパッとしないことがあるかもしれません…。
検討中の学校は、説明会、学校祭などで何度か訪れることになると思いますので、別の先生に訊いて不安を解消しましょう。
また、学校の評判は塾の先生や、友人のつてで訊くこともできますし、幅広く網を広げて情報を固めていければ最高です。
逆に気をつけるべきだと思うのは、口コミサイトです。
あくまでも投稿者の主観で書かれているものなので、参考程度にとどめておくことをお勧めします。
まずは、自分の目で見て、耳で聞いた情報を信じて学校選びを。
お子さんにとって良い学校が見つかりますようお祈りしています。
では最後までお読みいただき、ありがとうございました。
東京では約1/4の子どもが通っている私立中学校。 友人知人が塾に通い始めると、「ウチの子も受験したほうがいいのかな」、とお悩みの保護者の方も多いことと思います。 自分は子どもの中学受験を初めて経験したとき、知らないことだらけでした。[…]